
20年 あなたと歩いた時間
第2章 16歳
暑くて何もする気がおきない午後、
私と真緒はたいていどちらかの部屋で
何をするでもなく、だらだらと
過ごしていた。
「のぞみ、進路決めた?」
「うーん、一応」
え、と真緒は雑誌をめくる手を止めて
私の方をみた。
私達が通う高校は一応進学校なので、
早い段階から進路に応じた授業を
選択することになっている。
その調査書を二学期早々に
提出しなければならない。
「驚かないでよ。一応よ、一応」
「まじ?『流星のお嫁さん』とかじゃないよね?」
「まさか」
そんなふうに見られてたなんて心外だ。
でもまあ昔から何かにつけて真剣に
考えてなかったからな。無理もないか。
「ねえ真緒」
「ん?」
「流星ってモテるんだね」
「そうだよ。うちのクラスの何人かにも聞かれたよ。彼女いるのかどうかとか。この間のバスケで一気に有名になったよね」
一学期の終わりに、全学年参加の
球技大会があった。流星は、
バスケットボール部顔負けのプレーで
かなり注目を浴びたのだ。
私は、このあいだの本屋での出来事を
真緒に話した。
「へえ。紺野さんかあ。けどさ、流星って女子に興味ある?私、そういう流星を見たことないんだけど。要とは正反対だよね」
「そう言われればそうかな。要は誰にでも愛想いいもんね」
「チャラ男!」
「あははは。でもさ、真緒」
「ん?」
「要のこと、好きだったんでしょ?」
「…ずっと前のことだよ…」
「そう?今もじゃないの?」
「私のことはいいの!」
私と真緒はたいていどちらかの部屋で
何をするでもなく、だらだらと
過ごしていた。
「のぞみ、進路決めた?」
「うーん、一応」
え、と真緒は雑誌をめくる手を止めて
私の方をみた。
私達が通う高校は一応進学校なので、
早い段階から進路に応じた授業を
選択することになっている。
その調査書を二学期早々に
提出しなければならない。
「驚かないでよ。一応よ、一応」
「まじ?『流星のお嫁さん』とかじゃないよね?」
「まさか」
そんなふうに見られてたなんて心外だ。
でもまあ昔から何かにつけて真剣に
考えてなかったからな。無理もないか。
「ねえ真緒」
「ん?」
「流星ってモテるんだね」
「そうだよ。うちのクラスの何人かにも聞かれたよ。彼女いるのかどうかとか。この間のバスケで一気に有名になったよね」
一学期の終わりに、全学年参加の
球技大会があった。流星は、
バスケットボール部顔負けのプレーで
かなり注目を浴びたのだ。
私は、このあいだの本屋での出来事を
真緒に話した。
「へえ。紺野さんかあ。けどさ、流星って女子に興味ある?私、そういう流星を見たことないんだけど。要とは正反対だよね」
「そう言われればそうかな。要は誰にでも愛想いいもんね」
「チャラ男!」
「あははは。でもさ、真緒」
「ん?」
「要のこと、好きだったんでしょ?」
「…ずっと前のことだよ…」
「そう?今もじゃないの?」
「私のことはいいの!」
