
20年 あなたと歩いた時間
第5章 20歳
流星が帰ってきたのは、翌日の夜だった。
私は私で、したかったことをしていた。
午前中で授業が終わったので
まっすぐ部屋に帰ったが、
流星が戻った様子はなかった。
料理の作りおきを作り、夏物の服を出し、
勉強もした。
家にいると結構することはあるように思えたが
簡単な夕飯を済ませると
さすがに暇になってきた。
「…ただいま」
リビングで本を読んでいると、
流星が疲れた顔をして帰ってきた。
学校でシャワーを浴びたらしく、
服は着替えていた。いつもと同じ、
大きなバッグを持って、
長身をかがめるようにして
部屋に入ってきた。
少し、痩せた。
シャツの中の肩が、前よりも骨っぽい。
そんな風に流星を観察しながらも、
なぜかものすごく懐かしい気がして、
思わず抱きつきそうになった。
「お帰り。お腹すいてない?」
「…うん。大丈夫」
それだけ言うと、流星は自分の部屋に入った。
頭を冷やすと言って帰って来なかったのに、
ぎこちない。
私は普段通り接したつもりなのに、
流星がああいう態度を取るなら
どうしようもない。
私は本を読むのをやめてシャワーを浴びて
寝ることにした。
よく知らないけれど、
医学部は二年生になって勉強も
大変になったらしい。
一年生の頃は他の学部と同じような科目を
流星も勉強していたけれど、
二年生からは覚えることも多く、
実習も入ってきて、その試験のために
朝まで勉強していることも少なくない。
また、疲れているのだろう。
バスルームから出てミネラルウォーターを
飲んでいると、流星が部屋から出てきた。
「おれも風呂入ってくるから、…待ってて」
私は私で、したかったことをしていた。
午前中で授業が終わったので
まっすぐ部屋に帰ったが、
流星が戻った様子はなかった。
料理の作りおきを作り、夏物の服を出し、
勉強もした。
家にいると結構することはあるように思えたが
簡単な夕飯を済ませると
さすがに暇になってきた。
「…ただいま」
リビングで本を読んでいると、
流星が疲れた顔をして帰ってきた。
学校でシャワーを浴びたらしく、
服は着替えていた。いつもと同じ、
大きなバッグを持って、
長身をかがめるようにして
部屋に入ってきた。
少し、痩せた。
シャツの中の肩が、前よりも骨っぽい。
そんな風に流星を観察しながらも、
なぜかものすごく懐かしい気がして、
思わず抱きつきそうになった。
「お帰り。お腹すいてない?」
「…うん。大丈夫」
それだけ言うと、流星は自分の部屋に入った。
頭を冷やすと言って帰って来なかったのに、
ぎこちない。
私は普段通り接したつもりなのに、
流星がああいう態度を取るなら
どうしようもない。
私は本を読むのをやめてシャワーを浴びて
寝ることにした。
よく知らないけれど、
医学部は二年生になって勉強も
大変になったらしい。
一年生の頃は他の学部と同じような科目を
流星も勉強していたけれど、
二年生からは覚えることも多く、
実習も入ってきて、その試験のために
朝まで勉強していることも少なくない。
また、疲れているのだろう。
バスルームから出てミネラルウォーターを
飲んでいると、流星が部屋から出てきた。
「おれも風呂入ってくるから、…待ってて」
