秘密の兄妹
第11章 心の変化
「よし、片付け終わり。」
私は夕飯の片付けを終えて、リビングのソファーに座ってテレビを見ているお兄ちゃんの横に座る。
お兄ちゃんとテレビを見ていると、バラエティ番組からホームドラマに変わる。
うちとは違う、仲のよさそうな家族の姿を見て、私は顔を曇らせた。
すると、お兄ちゃんはテレビを見たまま片手を私の頭に伸ばして、私の頭を自分の肩にコテンと寄り添わせた。
「…………」
「…………」
最近、お兄ちゃんは本当に優しい
前はこんなことしてくれなかったのに……
お兄ちゃんと、お互い目を合わせて見つめあう。
そして、どちらともなくキスをする。
「んっ…んんっ…くちゅ…はぁ…」
けっこう前から、お兄ちゃんはセックスしていないときでも、こんな風にキスしてくれるようになった。
…こういうとき、勘違いしそうになる……
私がお兄ちゃんに大切にされてるって…
そんな風に
勘違いしそうになるよ、お兄ちゃん……
******
紫織とキスをしながら紫織の頭を撫でる。
「んっ…」
俺は唇を離すと、紫織のことをきつく抱きしめた。
「お兄ちゃん?」
好きだよ、紫織……
春樹に取られると思ったとき、俺は気が狂いそうになった。
言葉では伝えてやれないけど、せめて態度でくらいはお前に伝えてやりたい……
俺が紫織のこと好きだって……
紫織を愛してるって……