秘密の兄妹
第11章 心の変化
目を覚ますと、お兄ちゃんが隣で眠っている。
私はお兄ちゃんの顔をじっと見つめる。
……【可愛い】って、お兄ちゃんに初めて言われた……
今までの誰に言われた【可愛い】っていう言葉よりも、お兄ちゃんに言われたのが一番嬉しかった。
「しおり…」
寝言で私の名前を呼ぶお兄ちゃん。
私の顔につい笑みが漏れる。
私はお兄ちゃんの額にキスをする。
「私もお兄ちゃんに捨てられるまでは、もう誰とも付き合うつもりはないから安心してね……」
「…本当か……?」
お兄ちゃんが急に閉じていた目を開ける。
「起きてたの……?」
「今、起きた…」
お兄ちゃんは私の目を見ながら、私の頭を優しく撫でる。
「…私が小さい頃は、お兄ちゃん、よくこうやって頭撫でてくれたよね……」
「でも、私が成長していくにつれて冷たくなっていっちゃった……。私、お兄ちゃんに何か嫌な思いさせてた?」
「……いや、その事に関しては全部俺が悪い……。でも、その理由は聞くな。」
お兄ちゃんは悲しそうな顔をする。
私はそんなお兄ちゃんに抱きついた。
「お兄ちゃんが嫌なら何も聞かない。だからそんなに悲しそうな顔しないで……」
「…………」
「ねえ、私、どうしたらお兄ちゃんのこと幸せにしてあげられる?妹としてお兄ちゃんには幸せでいてほしい…」
お兄ちゃんは私のまぶたにキスを落とすと、私の顎に手を添えて深い口づけをしてくる。
「んぅっ…んんっ…はぁ…うっっ!」
舌使いがいつもより激しくて呼吸がままならない。