秘密の兄妹
第11章 心の変化
「くちゅっ…くちゅ…はぁぅ…」
紫織の舌を絡め取って、角度を変えて何度もキスをする。
「んっう…」
キスが終わると、紫織の額に自分の額をくっつけて紫織を見つめる。
「お前ってさ…何でそんなにお人好しなわけ…?この小テストの採点、本当は村上って奴が頼まれてたろ?」
「……知ってたの?」
「全部見てた…」
俺は額を紫織から離す。
「残り半分貸せ。俺も採点、手伝う…」
「お兄ちゃんが採点?」
紫織はくすっと笑う。
「何?俺が採点しちゃ変か?」
「うん、かなり……。お兄ちゃんってそういうことする人じゃないのに……」
「…いいから半分貸せ。一人じゃ大変だろ?」
「…お兄ちゃん、ありがとう。」
「…………」
本当にらしくないことしてる……俺が採点なんて……
こんなこと俺が先生に頼まれたら、いつもはクラスの俺のことを好きな女子に適当に優しくして、全部押しつけてさっさと帰ってるのに、自分から採点手伝うなんて……
本当
どうかしてる……
俺…
かなりどうかしてるよ……