秘密の兄妹
第12章 募っていく想い
「悠人、紫織ちゃん、まるでお前の奥さんみたいだな」
「分かる分かる!紫織ちゃんってダメな夫のお前を献身的に支える優しい妻って感じ!」
風磨と大地が食事をしながら俺に話しかけてくる。
「……そう見えるか?」
俺はカツ丼に箸を伸ばしながら2人に聞く。
「まあ、妹って感じではないよな…」
「お前がダメな奴だから、自分が頑張ろうと必死になって、あんなにしっかりしちゃったんじゃねえの?」
「…じゃあ、ダメな俺から早く引き離してやらねえと、あいつ幸せになれねえな……」
俺は箸を止めて風磨のことを見る。
「なあ風磨、前にお前、紫織が天使なら俺は悪魔だって言ったよな?最近本当にそう思うよ…。あいつ俺の妹にしては出来すぎてる……」
「…………」
「悠人!じゃあ、紫織ちゃん、今、付き合ってる彼氏と別れさせて俺にちょうだい!」
「大地、お前マジでぶっ殺す。」
「ちえっ、何だよ…冗談なのに…」
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「ねえ美加、あれ悠人じゃない?やっぱりいつ見ても格好いいね!」
「ちょっと加奈子!美加の前で悠人の話は禁止って言ってるじゃん!!」
「…別にいいわよ。中2のとき私が初めてセックスした相手なだけだもん。
さんざん私で楽しむだけ楽しんで見事に捨ててくれたけど、今までした男の中でエッチは最高に上手かったな…」
「えっ、そうなの?格好いい上にセックスまで上手いの?」
「うん、悠人以上に気持ちよくしてくれた男、今までいない…」
美加はそう言うと、食堂で食事をしている悠人の姿をじっと見つめた。