秘密の兄妹
第14章 罪と罰
「悠人、また美加が来てるぞ。」
大地にそう言われ、廊下の方を見ると、美加が立っていた。
俺はため息をついて席を立って廊下へ向かう。
「…美加、何?またセックスの誘い…?」
「うん!どうしても悠人としたいの。今日どう?今、両親が旅行中で家に親いないし!」
美加は俺の腕を引っ張って、上目づかいで俺を見上げる。
「無理だって何度も言ってんだろ。お前としたい男なんて、俺じゃなくてもいくらでもいんだろ?そういう奴らとヤれよ。」
「嫌!!どうしても悠人がいいの!悠人、学校一イケメンだし、セックスも最高に上手だし!
…ねえ、今日、私のこと気持ちよくして?」
「…………」
「だめ?」
美加は目をうるうるとさせて俺に尋ねる。
「…美加ってさ、こんなに面倒臭い女だったけ…?
俺、お前なら後腐れないと思ったからヤったんだけど、正直、こんなに面倒臭い女だとは思わなかった。
もっと割りきってくれる女だと思ってた。
中2のとき、お前とヤらなきゃよかったって今すげえ後悔してるよ…」
「えっ…?」
俺は美加の腕を振り払って、美加を睨み付ける。
「お前は俺とヤって、勝手に気持ちよくなってたかもしれねえけど、俺はお前とじゃ満足できなかったからお前のこと相手にしなくなったんだ。
そこらへん分かれよ。
本当、鈍感な女…」
「…………」
「もう、俺のクラスに来んな。どんなに誘ってきても、お前とは二度とするつもりはないから。」
俺は美加にそう言い放つと、教室の自分の席に戻っていった。
「……何あれ……
…信じられない!!
人のことバカにして!!
ムカつく!!!」
美加は拳をぎゅっと握りしめた。