秘密の兄妹
第15章 美加の復讐
「美加、最近楽しそうにしてるけど、どうかした?悠人にも会いにいかなくなっちゃったし、もう悠人のことはあきらめたの?」
加奈子が学食を食べながら美加に尋ねる。
「ううん、あきらめたっていうか、別の楽しみを見つけたっていうか…まあ、そんな感じ…?」
「何それ…?」
「…今日の放課後が楽しみ…」
美加は楽しそうに口元を緩めた。
******
「紫織、今日のカラオケ本当に行かないの?たまには少しくらいみんなと遊びなよ……」
「いいの。早く帰ってごはん作らなきゃ。お兄ちゃんが最近、早く帰ってきてくれるから私、今、すごく幸せなんだ…」
紫織はにこっと笑うと嬉しそうに答える。
「紫織ちゃん!」
急に誰かに名前を呼ばれて振り向くと、そこには美加と数人の友達らしき人物が立っていた。
「…美加さん……?」
「悠人のことで相談があるの。少しだけ顔貸してくれない?」
「……お兄ちゃんのこと…?」
「紫織、ついていかない方がいいよ。お兄さんのことで相談なんてろくな事じゃないよ…。ほっときなよ!」
由香は紫織を引き止めようとするが、紫織は由香に笑いかける。
「…大丈夫、由香はみんなとカラオケに行ってきて…。私も美加さんの話を聞いたら家に帰るから…」
紫織はそう言うと、美加たちに連れられ、体育倉庫の方へ向かっていった。