秘密の兄妹
第15章 美加の復讐
紫織が体育倉庫の前まで連れていかれると、美加たちが紫織のことを取り囲む。
「…あ、あの…お兄ちゃんのことで相談って何ですか…?」
美加はくすっと笑うと口を開く。
「…紫織ちゃん、今、ここにいる子たちの共通点分かる?」
「…共通点?」
紫織が首をかしげると、美加は怒りに満ちた声で答える。
「悠人にさんざん身体を弄ばれるだけ弄ばれて捨てられた女たち一同よ。」
「…お兄ちゃんに……?」
美加は顔を曇らせた後、目を潤ませた。
「紫織ちゃん、悠人ね…悠人と初めてセックスした私の顔、全然覚えてなかったの……
私が悠人に久しぶりに会いに行ったとき、悠人、私に向かって【誰…?】って聞いてきたのよ?
私が名前出すまで思い出してくれなかった……
ひどいと思わない?」
「…………」
「初エッチの私の顔ですら覚えてないのよ…?私の他のここにいる全員の子の顔もきっと悠人は覚えてない……それってあんまりでしょ?
ここにいる子たち、みんな悠人のこと本気で好きだったのに……
だから、悠人の言うこと何でも聞いて身体も許したのに……」
紫織が周りにいる女たちの顔を見ると、全員悲しそうな顔をしていた。
「だから復讐させて……」
「…復讐……?」
「…そう」
美加は紫織の腕を掴むと、体育倉庫の扉を開けて、紫織を倉庫の中に投げ入れた。
そして外から倉庫の扉に鍵をかける。
「み、美加さん!開けてください!!」
紫織は体育倉庫の扉をドンドンと叩く。
「…紫織ちゃん、ごめんね。恨むなら悠人を恨んで…」
美加がそう言うと、その直後、紫織の肩に誰かの手が触れた。
「…!!!!」
紫織が恐る恐る振り向くと、そこには同じ高校の制服を着た男子生徒が3人立っていた。