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秘密の兄妹

第18章 すべての原因





紫織がまともに食事ができなくなって10日目。



風磨と大地と一緒に、教室から運動場で体育の準備をしている紫織の様子を見る。



「紫織ちゃん、ここ10日で痩せたな…」



「もともと細いから、遠目でも痩せたの分かるよなぁ。

けっこうヤバくね?」



「…………」



紫織は、もう味噌汁も飲めなくなっていた。



味が濃く感じでしまうそうだ。



それは、甘いジュースや苦味のあるお茶も含まれる。



紫織は今では、水か白湯しか口にできなくなっていた。



「…今日、保健室の立野先生と、校内カウンセラーの近藤先生に相談して、心療内科か精神科のある病院で紫織を診てもらうようにしようと思う。

このままじゃ、あいつ死んじまう…」



「…俺らもついていこうか?」



「いや、いい…。

とりあえず、教室移動しようぜ」



俺はそう言って、化学の教材を持って、席をたった。




――――――
――――
――

「では、各班ごとに実験結果を黒板にまとめてください」



化学の永井先生の指示に従って、授業を受けていると、紫織の担任の青木先生が突然、化学室に入ってきて永井先生と何か話を始める。



永井先生は青木先生としばらく話をすると、俺の方を見る。



「高瀬、体育の授業中にお前の妹が倒れたらしいから、授業が終わったら保健室に顔を出してあげなさい」



…!!!!



紫織が倒れた…?



「…はい、分かりました。」



頭の中が真っ白になった。



…あいつ…



このままじゃ、本当に駄目だ…









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