秘密の兄妹
第7章 兄妹の文化祭
夏休みが明けてしばらくすると、すぐに文化祭の準備が始まった。
ここのところずっとその準備に追われ、大忙しだった。
私はお兄ちゃんと朝ごはんを食べながら文化祭の話をする。
「お兄ちゃん、明日のお兄ちゃんのクラスの文化祭の出し物は何をやるの?」
「お化け屋敷、普通だろ?お前のとこは?」
「私のクラスは地域の生物の生態を調べてまとめて展示するの。」
お兄ちゃんは大根の味噌汁のお碗をテーブルに置く。
「はあ?何、そのくそ真面目な催し。」
私はくすっと笑う。
「みんな当日は遊びたいから展示だけすることにしたんだよ。文化祭は中・高合同でしょう?高等部の模擬店とかに行くの中等部の子達はみんな楽しみにしてるんだよ。」
「ふうん、なるほどね。」
私は不安げにお兄ちゃんに尋ねる。
「ねえ、お兄ちゃん。私、お兄ちゃんのクラスのお化け屋敷見に行っちゃだめ?」
「だめ。」
即答で拒否するお兄ちゃん。
「どうして?」
「…春樹がいるから。」
「…………」
「紫織、文化祭のとき、春樹には近づくなよ。」
「うん、分かった…」
「あと、今晩するから…分かってるな?」
「うん…」