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この日この時この瞬間。

第27章 君


無くなる音も
亡くなる音も
私には聞こえなかったよ。

消えてく光景なんて目に映らなくて。

不思議だね。

防衛本能で無意識に
嫌な事だけは忘れられるんだね。

私がカレンダーを見つめる理由。
それは君を忘れるのが怖いからなんだ。

ずっと覚えてられる自信がないからなんだ。


君と交わした約束、
守れなくてごめんね。


泣かない、
って決めたけど

私はそんなに強くなかった。

泣かない、
って決めたけど


まだ失って
気付いた時には

涙が止まらないんだ…――。

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