吸血鬼系男子。
第2章 *第一章
「ここがカウンセリング室で、こっちが保健室」
「…入る?」
「あくまで私は校内案内してるだけだから。もう全部回ったでしょ?教室に戻ろ。もうチャイム鳴っちゃう」
私はその言葉を軽く交わし、彼の手を引いた。
…って私、何さりげなく手握ってんの…!
握った手をパっと離す。
「……離すなよ」
ぎゅっと握り返される。
大きくて、とても冷たい手。
守ってあげたい
一瞬でもそう思ってしまった自分がいた。
こんな変態に、そんな感情抱くはずないのに。
「…やっぱ気ぃ変わった。サボろーぜ」
「……えっ!?」
彼のつま先はくるりと方向を変え、また保健室の方へと向かっていった。