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second girl【完】

第7章 泣き虫ピエロ

「飲み過ぎ」



隆史は私の髪を撫でて、そのままその手を私の頭の後ろに回して、チュッとキスをしてきた。







「酒くせぇ」




隆史が意地悪に笑い「帰るかぁ」とエンジンをかけて、アクセスを踏んだ。





それからアパートまで隆史は何も話さない。
私も窓の外をボンヤリと見ているだけで、何も話さなかった。





これじゃ意味がない。
全然準備になんかなっていない。
ただ辛いだけ…








―――――――――――……

「ほら、着いたぞ」


気がつけばもうアパートの前。


「あっ、うん」


「晶」


「何?」






隆史の顔がゆっくり近付いてくる。
いつもだったら、自然と瞳を閉じる。

けど、長い隆史の睫が見えている。




隆史が私の背中と後頭部に手を回し、抱きしめるようにキスをする。

啄むように、角度をかえて何度も。




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