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隣にいるのがあたりまえ

第1章 日常

「で、昨日なにがあったの?」

聞いた途端、俯いちゃったまーくん。だって、昨日泣いてる理由も聞けなくて、二人で寝ちゃったし。

「えーー言わなきゃだめ??」

そんな口を尖らせて見つめたってダメなものはダメ。

「当たり前でしょ。どれだけ心配したと思ってるの?」

まだ少し赤い目元をそっとなぞると、観念したかのようにポツリ、ポツリと話出した。

「ほらね、今ドラマやってるでしょ?」

「うん」

「で、その役が結構俺の性格とか、物事の捉え方とかが似てて……役だって、分かってるつもりなんだけど家に帰ってもONとOFFが切り替えられなくなって、ちょっと苦しくなっちゃった…」

「そう…」

「だから、昨日和に電話するつもりなかったんだけど…限界みたいだった。ごめん、迷惑かけちゃって」

はぁ、ったく…

「迷惑だなんて思ってない。むしろ、もっとあなたの力になりたい。悩んでるなら聞いてやりたいし、苦しいなら側にいたい。」

「いいの?和…」

「何度も言わせない!」

「くふふ。ありがと!やっぱり和に話してよかったー。スッキリしたらお腹すいてきちゃったね!」

「うん」

「簡単なのしか出来ないけど美味しいの作るから待っててね〜」

なんて、ご機嫌な足取りでキッチンに消えて行った。

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