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君にクローバーの花束を

第3章 ふたつ

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「はぁ~~寒いっ」


真っ白い息を吐いたあと、ロングコートを着た少女・末永つばき(すえなが つばき)は冷たくなった両手を擦り合わせた。


「これだけ寒いと雪が降りそうだな」


曇った空を見上げながら、スーツ姿の男・村上祐司(むらかみ ゆうじ)が言う。


「ホワイトクリスマスかぁ…」


鼻のてっぺんを赤くしながら、つばきはヘヘッと笑った。


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