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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第8章 新しい一歩


「……きゃっ……!」



抱きついた私を、ユキは無言で床から起き上がらせると


素早い動きで、ベッドの上に上がって



「ごめん」



なぜか突然謝って、放り投げるように倒した私に跨った。




「なんか俺、余裕無いらしい。

あんたは今弱ってるし

今夜、するつもりは無かったんだけど」


「………!」


「……こんな感情、初めてで

どうしていいか自分で分からねぇ」




乱暴な動作と、口調に変わって


ユキの瞳が色濃く揺れる。




「初めて逢った日の夜、覚えてないだろうけど

春ちゃん、俺を生殺しにしたんだからね」


「~~~!?///」


「しかも、“ 遼くん ” って何度も言うんだぜ?

あんなに濡れて、感じさせたのは

……俺の手だったのに」




わ、わ、私……!?


ガツンと、頭を殴られた気分。


そ、そういえば、図書室でユキに言われた言葉……




“ 春ちゃんがその男を何よりも好きだってことは

月曜の夜に充分知ったから ”


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