春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第9章 その時が来るまで
「早乙女くん。
あなたの作品はほんっっとに素晴らしいと思うわ。
天才だと思う」
「……ははっ」
目を閉じて何度も頷く彼女を見て、思わず笑っちまう。
「そんなに煽てなきゃいけないほど、俺って単位ヤバイの?」
「違うわよ。
プレゼン能力もあるし、あなたにはクリエイティブの素質がある。
それは認める」
「へー、そりゃどうも」
軽い俺の返事に、竹中さんは更に大きく息を吐いた。
「まぁ、あなたがさっき自分でも言った通り。
提出物はしっかり期限を守ってるから、そこはいいんだけど」
「………!」
「でもね、早乙女くん。
私が言いたいのは……」
………“ 期限 ”
自分で設定しておきながら
そんな日は一生来なければいいと本気で願ってる。
でも、あの時そう言わざるを得なかったのは
春ちゃん自身が、その日が来ると強く祈っているから………
“ わ、私でよければ……/// ”
「…………」
……マジで、ハマりすぎ。
昨日逢ったばかりなのに
既にもう、逢いたくて堪らない。