春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第11章 どうしようもなく、惹かれる心
~~~な・に・が、残念よ!
残念なのはあなただっつーの!!
ってゆーか顔近い! 嫌だ!
「遅くありません! まだ間に合いま…」
「販促関係も全部進んでるし、どう足掻いたって無理だよ」
「無理じゃない!
だいたい商品になったらすぐにバレますよ!?」
「うん、楽しみだ」
「……えっ!?」
「存分に悔しがればいい」
「………っ」
………ダメだ。
本気で狂ってる。
この人、プライドってものが無いのだろうか……
「俺の楽しみを奪わないで。
発売まであと少しなんだ、見逃してよ」
「…………」
「あいつら、いつもイイ思いばかりしてるんだから
これくらいの嫌がらせなんて軽いもんだろ」
……許せない。
全身が怒りで沸騰していて、燃えるように熱い。
「口止め料、払うからさ」
なぜか目を閉じる芹澤さん。
唇を突き出して、更に近付いてくる。
………バカにするのも
「~~~いいかげんにして!!」