春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第11章 どうしようもなく、惹かれる心
「うわぁ! 蓮見ちゃん!!」
「………!」
「だ、大丈夫!?」
後ろから山田さんの声が聞こえてきて、振り返ると
山田さんの後ろから、○○木工の社員の人達が走り寄ってきた。
「ご、ごめんなぁ加賀谷くん」
「………!」
「もっと早く気付いていれば……」
3~4人の男性達が、あっという間に芹澤さんを取り囲む。
山田さんはぷるぷる震えながら、私と遼くんの後ろにへなへなと座りこんだ。
「山田さんのせいじゃない。
こちらこそ、元身内がご迷惑をお掛けしてすみません」
私の肩を抱きしめたまま、遼くんは手に持っていた携帯をポケットにしまった。
「あと少ししたら、うちの部長と先方の関係者が来ます。
ご迷惑おかけしますが、その男をここで待たせていただけませんか?」
「よし、分かった。
蓮見ちゃんと君はどうする?」
「俺達は戻ります。
“ この件 ” は、全て会社の判断に任せますので」
「そうか、了解!
お前らそいつを連行しろ!!」