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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第11章 どうしようもなく、惹かれる心


……遼くんの放つ迫力が、凄まじくて


息をするのも忘れるくらい、思考が止まってしまったけど



「……ほら、行くよ」

「………!」



山田さんに促されて、芹澤さんは何も言わずに歩き出した。


遼くんの肩越しに見える、入口へ曲がっていく後ろ姿。


……こ、このまま去るつもり!?

せめて一言くらい謝ってほしい!



「ま、待って……!」



遼くんに謝罪してよ!


地面に座ったままのお尻を浮かせて


みんなが見えなくなった方向に手を伸ばすと……




「春菜」




膝立ちしている遼くんの


両腕が私の背中に回って




「…………!!」




持ち上げられるように、正面からぎゅっと抱きしめられた。




「………っ」




………私の体は


遼くんの腕の中に、すっぽりと収まった。


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