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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第12章 春の嵐


……気持ちは、どんどん膨らんでいって


遼くんが卒業する時に、告白しようって……それまでずっと想いを秘めていて


あの日は、人生で1番緊張した日だったと思う。



……だけど……





「遼くんは社会人になったと同時に結婚して
時間もすれ違うし、もう大学で会う事もないから……」

「………」

「いいタイミングだったなって。
恋心に蓋をして、次に進むはずだったんだけど……」




……涙でぐちゃぐちゃで、ちゃんと話せているかどうか分からない。


それでも


ユキは何も言わずに、黙って隣りで聞いていてくれている。




「……もう、叶わなくてもいいの。

ずっと、このままでいいの」




だって、そうするしかないんだもの。


どうやったって、忘れられなくて


社員にならなくたっていいから


どんな形でもいいから、遼くんの近くに置いてほしくて




……私は……




「遼くんじゃなきゃ、だめなの……」



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