春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第13章 2人の秘密
「空デで有名なんだよ。
“ 綺麗なお姉さん ” って代名詞で」
「「………!」」
その声でハッと我に返って、遼くんと同時に振り返ると
ポケットに両手を入れたユキが笑っていた。
いつもの明るい笑顔に戻っていて、白い歯を見せる。
「大学入って最初の講義。
俺はその時から、春ちゃんのこと知ってたのにさ~」
「………!」
「公園で偶然逢って、会話したとき
男の人ですか?って聞かれたんだよ」
「………!!」
「酷いでしょ」
ニイッと口角を上げて笑うユキ。
ドクンと心臓が鳴って、どっと汗が噴き出てくる。
……公園……って
あの、酔っ払ってた時の……?
「…… “ 春ちゃん ” ?」
「………!」
私とユキを交互に見て、遼くんがそう呟くと
ポケットから両手を出して、横に広げるポーズをしながら
ユキは遼くんに向けてペロッと舌を出した。
「だって、年上の助手さんだし。
義兄さんと同じように、春菜って呼ぶわけにはいかないだろ?」
「………!」
「って、何度も言うけど
ぜんっぜん年上に見えないけどね♪」