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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第3章 8年めの片思い

「~~~先生じゃない!」



思わずそう叫びながら、電源をブチッとOFFにして


再びバッグの奥底へとしまいこんだ。



「………っ」



心臓がバクバクと鳴り始めて、両手を首元にもっていく。


………昨日に引き続き、今日もぽかぽかの小春日和なのに


すっぽりと首を隠す、タートルネックのニットを着てくる羽目になったのは


昨夜、 “ あいつ ” が何度も私に……




と、その時





「………蓮見」




突如



頭の後ろから降ってきた、重低音。




「朝からうるさい」


「…………!!」


「叫ぶなら、心の中にして」




………低くて、セクシーな声。



振り返らなくても、その声の主が誰か分かってしまう。


さっきとは別のドキドキが生まれた胸を押さえて


私は後ろへイスを回した。





「………遼くん」





………口調が悪くても、怒られても



世界で1番



愛しくて、大好き。


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