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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第15章 少しだけ


そっと、遼くんの横顔を見つめる。


その視線は、校舎の上の空に向けられていて


チカチカと、ライトが点滅している飛行機が飛んでいた。



「………」



……遼くん。


基本インドアで、スイッチが入ると引き籠って作品作りに没頭していた貴方だけど


私の知らない所で、彼女との時間を重ねていたんだね。


ユキが教えてくれた通り


同じ国籍の2人でも、出逢ったのは遠い国で


同じように飛び回っていた2人は、きっと運命を感じて


ユキ達ご家族が驚く程に


未来を共に歩く相手だって、きっと瞬時に感じ合ったんだよね。



「………っ」



想いがこみ上げてきて、私は視線を地面に落とした。




……最初から



叶わない恋だって分かってた。



それなのに……



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