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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第5章 誘ったのは、私です

グサッと、鋭い剣で心臓を一突きにされた気分。


だけど


それと同時に


ふわっと、ユキが私の体を包み込んだから



「……春ちゃん」

「…………っ」



泣きたくなるほど痛いのに


抱きしめられた腕が優しくて


気持ちの行き場をどこにもっていったらいいか、分からなくなる。




「……どう…して……?」




確かに、遼くんの名前を出したけど


ずっと好きな人がいるって言ったけど


私と遼くんのことは


私以外に、誰も知る人はいない。




“ 彼は、いつか受け入れてくれるんだよね? ”




……それを、私に聞くの?




「……受け入れてくれるわ」




腕の中で、私はぽつりと呟いた。




「想いが届く日も、いつかきっと来るの。
私は、そう信じてる」

「…………」

「遼くんと私の……み、未来だって……っ
いつか、きっと……!」

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