春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第6章 先輩と後輩
……謎。 とにかく、謎だらけだ。
感情移入したからって、7つも年上の女にいきなり惚れたりする?
あれだけカッコイイんだから、もっと若くて可愛い子なんて選び放題でしょ?
……やっぱり、からかわれてるのかな。
イケメンによる、イケメンだけが出来る今時の遊び?
「…………」
……うん、きっとそうだ。
本当に遊ばれただけなんだ。
だって、昨日の木曜日
ドキドキしながら大学に行ったのに、担当している講義にユキの姿は見当たらなかった。
空デの必・修・科・目なのに!
キャンパス内のどこかにいるかもしれないって思ったけど、彼独特のオーラは感じなかったし
私の携帯は、昨日に引き続き今日もし~んと静まり返ってて……
「~~~って私!!
期待してどうする!!」
ユキに会わなかった代わりに、情報収集しちゃってたし!
自分が怖い!
「……はぁ……」
………1番謎なのは、明らかに私自身。
デスクでパソコンに向かう遼くんをチラ見して、そっと溜息を漏らした。