春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第6章 先輩と後輩
芹澤さんというのは
沙月と同じ店舗開発部で、2つ年上の男の先輩だ。
周りから見ても沙月とはいいコンビだったんだけど、別の会社に転職が決まったらしく
惜しまれつつも、今年の3月にうちの会社を退社した。
……そう、3月に退社したんだ。
「送別会は、先月にもう終わったんじゃなかった?」
既に芹澤さんの席は綺麗に片付けられていて、当然ながら社内にいない。
手を動かしながら不思議に思って聞き返すと、沙月は溜息を漏らす。
「部署の送別会はね。
……だけど、今日の送別会は “ 同期 ” の方なのよ」
「同期?芹澤さんの?」
「そう、華の世代」
「……それなら、沙月は出なくてもいいんじゃないの?」
「そうなのよ!
私も一度は断ったんだけどさぁ……」
ペットボトルのお茶を取り出して、沙月はますます曇った表情を浮かべた。
「……参加者が、ほとんどいないんだって」
沙月と同じ店舗開発部で、2つ年上の男の先輩だ。
周りから見ても沙月とはいいコンビだったんだけど、別の会社に転職が決まったらしく
惜しまれつつも、今年の3月にうちの会社を退社した。
……そう、3月に退社したんだ。
「送別会は、先月にもう終わったんじゃなかった?」
既に芹澤さんの席は綺麗に片付けられていて、当然ながら社内にいない。
手を動かしながら不思議に思って聞き返すと、沙月は溜息を漏らす。
「部署の送別会はね。
……だけど、今日の送別会は “ 同期 ” の方なのよ」
「同期?芹澤さんの?」
「そう、華の世代」
「……それなら、沙月は出なくてもいいんじゃないの?」
「そうなのよ!
私も一度は断ったんだけどさぁ……」
ペットボトルのお茶を取り出して、沙月はますます曇った表情を浮かべた。
「……参加者が、ほとんどいないんだって」