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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第7章 眠れない夜に、温もりを


「……ちょっと、休憩」



カフェでホットコーヒーを買って、駅前の広場に戻ると


駅のシンボルになっている、銀杏の木


それをぐるっと囲むように出来た、花壇の淵に腰掛けた。


待ち合わせや、同じく休憩をしている人達がいっぱいいるけど


金曜の夜、ごった返しているカフェの店内よりかはマシだった。


昼間は暖かかったけど、この時間は風が少し冷たく感じて


それでも、酔って火照った体にはちょうどいい。




“ 仲良しって知ってますから。
うちも負けていませんけどね ”




「…………」




今まで何回も、何十回も……ううん、きっとそれ以上


同じような言葉を聞いてきたし、同じ笑顔を見てきた。


………だから


こんな時、どうしたら気持ちが落ち着くか


心の治療法、考えなくても分かるんだ。


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