アタシとアイツ【短編集】
第4章 野外でエッチ *リクエスト
そうして今に至るわけですが。
「何で手を離してくれないわけ?」
確かにこの状況を作ったのは私かもしれない。
でもそれは手を離さない理由にはならないのだ。
睨むようにレンを見上げると、レンは少し目を見開いた。
「そんな目されたら、もっと離せなくなるだろ?」
「へっ!?」
次の瞬間唇に触れた温かく柔らかい感触に、私は思考を奪われた。
「んっ」
唇の隙間から漏れる吐息。
その隙に、私の口内を犯そうとレンの舌が侵入してきた。
キスをされている。
そう気付いたのは、レンの舌が口内を蝕み終わった後だった。
「はぁ、はぁ。」
荒い呼吸を整えながら、いたずらに笑うレンを見上げる。
「拒否、しないんだ。」
そう言われ、私の体は一気に熱を持つ。