アタシとアイツ【短編集】
第4章 野外でエッチ *リクエスト
普通なら拒否すべきところなんだろう。
でも出来なかった。
「レン、キス上手いんだね。」
恥ずかしさのあまり顔を背けてそう言う。
レンの表情は見えない。
そんなに経験が豊富なわけではなかったが、今までしたキスとは比べ物にならない感覚だった。
まるで溶けてしまいそうな、そんなキス。
「もっかい、して?」
そう言ってレンを見上げると、彼はまるで猛獣のように私の唇に吸い付いた。
クチュクチュと響くいやらしい音。
絡み合う舌。
甘い吐息。
理性というものはもはや機能していなかった。
ふと、抑えつけられていた手が解放され、胸を優しく揉まれる。
私はハッとして、力ずくでレンを引き離した。
「ちょっと!それはダメ!!」
私の言葉にレンは顔を歪める。
「何で?」
「何でじゃないよ!
それ以上したら…
それにここ外なんだよ?」
「ふーん」
必死に止めようとする私を見下ろし、レンは余裕の表情を浮かべる。
嫌な、予感しかしなかった。