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only one【完】

第10章 向き合う心

「元気だったか?」


「うん」


「髪伸びたね」









ゆっくりと隆史の腕が伸び、隆史の指先が私の髪を掬う。



嫌だったら振り払えるぐらいゆっくりなのに、
そうしないのは、隆史が切ない顔をしているからで…


隆史を求めているわけじゃない…









「隆史はちょっと痩せたみたい」


「…少しね。色々あったから」






私から顔を瞳を背けるように、腕を放す。








色々か…
きっと奥さんのこと…





かなぁ…




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