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only one【完】

第3章 俺様

「気になる?」



「え?」



「指輪」









高木さんはそう言って、テーブルの上の指輪をコロコロと転がせてみせた。





「気にならないですけど…」



「けど?」



「簡単に外しちゃいけないと思います。
私が…」










もし私が、もう一つの同じ指輪をしている相手だったら、凄く悲しくなる。




もし私が、高木さんを好きだったら、目の前でこんな簡単に指輪を外してしまったら、期待してしまう。






もし…








もし隆史が同じように、誰かの前でこんな簡単に指輪を外してしまっていたら…






私達の別れは…







あんなに悲しい思いをしたのに…




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