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only one【完】

第13章 始まり。

それを隠すように、隆史を抱きしめる腕に力が入る。





「そんなんなら、ずっとここに居ればいいのに!」





隆史はそう言うと、私の顔を上げ自分と向かい合わせる。





「泣くならずっとここに居ろよ」



そんな言葉にまた涙が溢れる。

その涙を隆史の指が優しく拭ってくれる。




「…ったく一層、泣き虫になったんじゃないのかよ」



「そんなことないよ!
かなり強くなったんだから!」



泣きながら言っていても、説得力はなく隆史は「はい!はい!」と笑いながら私の頭をポンポンと撫でるようにしてくれた。




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