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一人の楽屋

第1章 一人の楽屋

「もしかしたら…僕ぅ…何てこと思うことありません?」

「ないですよ。そこはまた違うじゃないですか。」

ちょっとしたインタビューをしていた話の流れで、ふとそんなことを口にしてしまった。

もちろんそんなこと聞く予定なんてなかった。

「丸山さんはあるんですか?」

そしてまさか聞き返されるとも思ってなかった。

「ほら、長いこと一緒にいるとね、こうちょっとドキッとしたり…。」

ここまで言って我に帰った。



BLとか俺わからんわ…。



とある別の番組で信ちゃんが何気に言った一言。

信ちゃんはテレビの前では僕との関係を隠しているんだった。

この流れで名前を出しても平気そうな人。

僕はとっさに頭をフル回転させた。

「…ヤスとかね、ってちょっと!!今のなし!!忘れて忘れて!!」

VTRを見ていた信ちゃんの表情には一瞬驚きの表情がうかがえた。

「マル!何てことを言うんだ!!君は!!」

ヤスは僕を少し見てから、冗談だと分かりやすい受け答えをしてくれた。

だけど信ちゃんにはどうやら届いてなかったみたい。

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