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補習の常連さん

第3章 鍵の忘れ物

俊助は目が合わせられないでいた。
これじゃあただの態度の悪い奴じゃないか…
先生は無言のままその場に立ち尽くす

……もしかして俺が話するのを待ってる?
俺のあほ…当たり前じゃないか。
俺がちゃんと説明しないと何も分からないんだもの

「あの…。すみません」

チラッと見目先生を見て顔色を窺う。
見目先生は少し呆れたような表情をして左手に持っているコートを俺にかけてきた

「よく分からないのに謝られても困るんだけど」

「すみません…」

「…取り合えず体冷えてるから中入れ。
話は聞いてあげるからちゃんと話して説明しろよ」

俊助はコクリと頷くと
見目先生は溜め息をついて頭を撫でてきた

参ったな。
これには慣れない

体をビクっと振るわせて
又もや俺は頭を下へと落とし避けてしまっていた。

「…悪い、この癖直らないんだよ」

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