言葉で聞かせて
第6章 休息?
「まぁ……な……?」
「あーやっぱり自分でもわかってたんだ」
「優しいとは思ってねえよ」
ふぅん、と菜摘は布団を手繰り寄せて身体を隠してから俺の方に身体を向けた
「私は?どうだった?気持ち良かった?」
「普通」
「普通って……」
あー面倒くせぇ
つかヤってる最中にも言ったろ
「緩かった」
「えぇ?もう、サイテー」
クスクス笑いながら菜摘は俺の言葉を受け流す
本気だけど、冗談でとってねぇか?
まぁいいけど
菜摘は俺の胸に顔を埋めるようにして、呟くように言った
「ねぇ?」
「ん?」
「敦史と悠史はさ、彼女でも出来たの?」
女ってのは鋭いねぇ
「何でそう思うんだ?」
「だって……最近ちょっと誘いにくくなったって、言ってた」
「誰が?」
「それは……」
言えない相手?
キャストからのタレコミか?
「いねぇよ、彼女なんて」
いたとしてあれは彼女ではないしな
嘘ではない
「ほんと?」
「俺の答えを信じられないならわざわざ俺に聞くな」
「……」
菜摘は俺の顔を見て黙り込んでしまった
「そう、だよね……。まだ2人で住んでるの?」
こいつそこまで知ってんのか
元カノって怖え