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言葉で聞かせて

第2章 体調不良と猫

悠史目線


あの日以来、僕達の家にやって来た千秋さんは本当にいるのか疑わしくなるほど大人しかった

僕が仕事を終えて帰ってきても、物音一つ立てずに部屋に籠っている


面倒を見て欲しいってことだったけれど、仕事をしているのかもしれないし、別に部屋まで行くほどではないかな


お店で人気の出てきた僕達は日々本当に忙しくて、いつしか千秋さんのことを気にすることもできなくなってしまった



「聖夜、今日アフターいい?」


耳元で甘く囁かれた言葉に僕は穏やかな微笑みを浮かべた


「もちろん。お相手させて頂きます」
「ふふ、楽しみにしてる」


隣に座る女性は僕の太腿に手を置いて撫でるように擽ってくる


可愛らしい


女性の柔らかさ、温かさ、そして味わう肌の甘さ
僕にはないもの全てが愛おしい


僕を選んでくれた全ての女性に優しくしてあげたい
この思いが僕の仕事へのモチベーションに繋がっている


アフターで女性への奉仕を終えて家に帰り着いた時
家の外から見た千秋さんの部屋は明かりが灯っていて

『生存確認が出来るだけでいい』

という博秋さんの言葉通り、生存確認はした


そして、突然問題は起こった

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