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言葉で聞かせて

第9章 鳴き声、泣き声


つーか、


「そのストレス性失声症ってのは病院の何科にかかればいいんだ?」
「そうですね……ストレス性なので、やはり精神科でしょうか」
『そうです。精神科に行ってきます』
「あぁ、やっぱり」


精神科か
どんなとこだか知らねぇけど

良くなりゃいいな


保険証の話やらどこの病院に行くやら、俺にはよくわからない話を悠史と千秋は交わして
朝から出かけるならそろそろ寝るか、となった


今日千秋と寝るのは俺の番で、千秋はまだ病院に通うのを許されたことが嬉しいのか軽い足取りで俺の部屋に入ってきた


「嬉しいのか?」


こくん、と頷く千秋の頭を撫でてから布団を首元まで上げて掛け直してやる


「そうか。確かに、声出せたほうが何かと便利だもんな。意思の疎通も楽に出来ねえんだから」
『はい。でも僕が声を出せるようにしたいのには別の理由があるんですけどね』


悪戯っ子のように笑う千秋に理由を教えろ、と詰め寄るが
千秋は小さく笑いながらその質問をかわすだけだった


薬とか、リハビリとか
そういうので治るんならいいな

出来る限り痛くも苦しくもない方がいい


ただやっぱり
確実に治って欲しい

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