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言葉で聞かせて

第2章 体調不良と猫

「?」


振り返って見ると千秋さんはまた紙に何か書いている
少し待って見せられたその紙には


「今日は本当にありがとうございました」


と書いてあった


また、顔が緩む


「こちらこそ、ありがとうございました。ご飯美味しかったです」


どういたしまして、と言うように軽く微笑んで、今度こそ寝ようとすると千秋さんを今度は僕が引き止めた


またあの
得体の知れない焦りが心を蝕んでいたから


「あの……」


千秋さんがこちらを向いてから我に返った


何を言うか全く考えてなかった


「え、と……」
「?」


格好悪いな、僕


「あの…………私生活には介入禁止って約束ですけど……良ければまた、ご飯作って頂けませんか?その……とても美味しかったので……」


僕の言葉に千秋さんは嬉しそうに頷いた


「良かった……」
『喜んで頂けたなら、僕も嬉しいです』


横になった千秋さんの髪の毛を撫でる


「……早く、良くなるといいですね」


と言ってから気がついた


こんなこと、年上の方にすることじゃない……!


僕は勢いよく手を引いた


「ご、ごめんなさいっ」


反射的に謝ると、千秋さんはまた紙にサラサラと何か書き出した


『どうして謝るんですか?撫でられるの、気持ちいいのに』

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