
言葉で聞かせて
第9章 鳴き声、泣き声
次の日、いつも通りゆっくりと起きた俺がリビングに行くとそこには既に悠史と千秋がいた
「おはよう、敦史」
「おう」
冴えない頭を渡された熱いコーヒーで覚ます
それを見計らって悠史が声を掛けてきた
「それで?今日はどこに行くの?」
「教えねぇよ。知ってたらつまんねぇだろ」
「そう?じゃあ楽しみにしてる」
俺が席に着くと千秋が朝食を運んでくる
「さんきゅ」
と、机に向き合うと
あれ
少ねぇ?
量がいつもより少なく感じて千秋に視線を移すと、千秋は悪戯っ子のような笑みを浮かべた
『だってご飯、食べに行くんでしょう?せっかくなんですからたくさん食べたいじゃないですか』
「ふふふ、期待されてますね」
「あぁ期待しとけ」
朝食を摂りながら出発する時間についても話す
「じゃ、また後でな」
「うん」
服何にすっかな
スーツばっか着てっから
これと、これかな
暑いっつってたから
少しいつもより落ち着いた服装で、多少のドレスコードには耐えられるような服を選ぶ
アクセもあんまりジャラジャラしないやつ
よし
頭もそこまで立てんのやめとこ
金も持ったな
