言葉で聞かせて
第3章 葛藤と誘発
めんどくさいピロートークもそこそこに帰宅
扉を開けると、リビングから明かりが漏れていた
廊下とリビングの境目の扉まで近寄って窓から覗くと、うちに居候している義兄と実の兄の姿があった
二人は楽しそうに談笑している
チリ、と俺の胸が焼けるような痛みを放つ
勝手にしろ
俺が扉を離れようとすると、それを悠史に見つかった
「敦史、おかえりなさい。帰ってたんだね」
無視するわけにもいかず
「……あぁ」
俺のそっけない返事にもめげずに悠史は話しかけてくる
「今日も結構飲んでただろ?千秋さんがお味噌汁作ってくれたんだ敦史も飲もう」
俺はこれみよがしに大きな舌打ちをして、悠史の胸ぐらを掴んだ
「おい。あいつは俺たちの私生活には干渉禁止っつったよな?いい加減にしろよ」
俺の言葉に一瞬驚いたような顔をした悠史の目は、すぐに俺と同じぐらい鋭いものに変化する
「僕も、年上への口の使い方には気をつけろって言ったよね?それから僕は好意でしてもらったことを無下に扱うことなんてしない」
こいつはいつもそうだ
人畜無害そうな雰囲気を醸し出してはいるが、実は俺と同じほど黒いところがある
扉を開けると、リビングから明かりが漏れていた
廊下とリビングの境目の扉まで近寄って窓から覗くと、うちに居候している義兄と実の兄の姿があった
二人は楽しそうに談笑している
チリ、と俺の胸が焼けるような痛みを放つ
勝手にしろ
俺が扉を離れようとすると、それを悠史に見つかった
「敦史、おかえりなさい。帰ってたんだね」
無視するわけにもいかず
「……あぁ」
俺のそっけない返事にもめげずに悠史は話しかけてくる
「今日も結構飲んでただろ?千秋さんがお味噌汁作ってくれたんだ敦史も飲もう」
俺はこれみよがしに大きな舌打ちをして、悠史の胸ぐらを掴んだ
「おい。あいつは俺たちの私生活には干渉禁止っつったよな?いい加減にしろよ」
俺の言葉に一瞬驚いたような顔をした悠史の目は、すぐに俺と同じぐらい鋭いものに変化する
「僕も、年上への口の使い方には気をつけろって言ったよね?それから僕は好意でしてもらったことを無下に扱うことなんてしない」
こいつはいつもそうだ
人畜無害そうな雰囲気を醸し出してはいるが、実は俺と同じほど黒いところがある