
言葉で聞かせて
第9章 鳴き声、泣き声
唾液で汚れた口元を指でぬぐってあげて、そのまま自分の口に入れる
「……ん……」
僕のその仕草に千秋さんが見入っているのがわかった
「……上、脱ぎましょうか」
体を捩って頭から服を脱ぎ去れば、さっきもそもそも首元まで捲られて裸と大して変わらなかったにも関わらず千秋さんが顔を赤くした
顎を指で掬って「続きは?」と強請るとはっとしてから動き出した
僕のお腹に薄く入っている腹筋の縦の筋に沿うように舐められて擽ったい
けれどその後に辿り着いた場所にそんなこと気にならなくなる
脚の付け根や、それ自体の付け根に何度もキスをしてから、根元から上に一息に舐め上げられた
「あ……ぅ、ん……」
思わず声が出ると、千秋さんは嬉しそうに目を細める
上から咥えられて熱い口の中、舌で先端を愛撫された
本当、上手
口に入らない部分を片手で扱いて、もう片手はその下の膨らみを優しく揉む
たまにコリ、と強めにされて
「……っあ……は、ぁ……ん……」
と自然に声が出る
されるだけなんて、人生初かもしれない
敦史は女性にさせてたみたいだけど
僕は性格的に無理だったもん
