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言葉で聞かせて

第11章 記憶


「あ、く……!!」


敦史が腰を大きく揺らして震えた


イったかな?


見れば千秋さんも達したようでシーツに垂れていたのより少なめな白濁を自らのお腹の上に散らしていた


「は、は、は……」


肩で息をする敦史がずるり、と自身を引き抜くと千秋さんもようやく力が抜けたようだった


「お疲れ様です」


汗で顔にべったりとくっついた髪の毛を避けてあげてキスを落とす


「……千秋さん?」


だけど千秋さんは僕を見ながらも顔に表情がなかった

疲れ切っているのか眠いのか
何を考えているのかわからないその表情に不安になる


「大丈夫ですか?」
「千秋?」


僕たちの呼びかけにようやく口を動かした

だけど声の出ないそれが何を言いたいのかはわからなくて僕たちは首を傾げる


「千秋さん?」
「眠いのか……?」


敦史の声に微かに頷いた千秋さんは何故か少し眉間に皺を寄せて目を閉じた


その反応を訝しげに思ったけれど今起こして問いただすことは出来ないしとにかく千秋さんの身体を洗いに行かなきゃいけないしで、深く考えている余裕はない


敦史も同じ気持ちなのかとりあえず、と前置きして


「……運ぶか」


と千秋さんを抱き上げた

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