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言葉で聞かせて

第12章 忘れられないこと


射精後の独特な倦怠感に襲われながらも立ち上がりキッチンへ

たまたま冷蔵庫に入っていたペッドボトルのお茶を一口飲んでから大きく息を吐き出す


すげぇ罪悪感?かも
なんつーか、汚しちまった感?


手元でペッドボトルを弄びながら暗闇を眺めて考える


ま、今更だけどな
セックスしてる時点で汚してるっちゃ汚してるわけだし


千秋とのセックスを思い出してまた下半身に熱が籠ってきて焦る


くそ
中坊かよ

最近本当ヤバイな


その熱を誤魔化すようにお茶を飲むと、静かな家に微かな音が響いた
鍵が開いた音

悠史か


廊下を歩く音がしたと思ったらリビングに電気がついた
そして


「!」


悠史がキッチンに顔を覗かせて驚いたような表情を浮かべる


「あれ?敦史まだ起きてたの?」
「あぁ」


俺の無愛想とも取れる短い返答を気にする様子もなく悠史は俺に近づいて俺が持っていたペッドボトルを奪う

ぐい、とそれを飲み干した悠史は「はーー」と息をついて首の筋を伸ばすように左右に傾けた


「疲れてんのか?」
「んー?んー……そうかな。そう見える?」


自分のこと聞いてくるなんて珍しいな、と思いつつ改めて悠史を眺める

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