テキストサイズ

言葉で聞かせて

第12章 忘れられないこと


俺の考えを悟ったらしい悠史が俺を見る


ズルイ、ね
まぁ確かに風呂入ってる間にってのは卑怯か

俺が風呂入ってる間何もしねぇで寝てたのはお前だけどな


小さく溜息を吐いていると、悠史が千秋を横抱きに抱えた


「ベッドまでご案内しますよ、千秋さん」
「……あ、え……っ?」


お前はどこの国の王子だ


驚いた顔の千秋に華麗にキスをする悠史は自分と同じ顔とは思えないほど輝いている

千秋がうっとりと眺める意味もわかる


負けてられねぇよな


俺は悠史に抱えられた千秋に顔を寄せて耳にキスをした


「……っ!!」


そしてそのまま耳元で囁く


「俺らが全部曝け出したんだ。お前も全部見せろよ」
「?」


ちゃんと話したのに、と疑問符を浮かべる千秋の胸元から腹を服の上から指でなぞる

くすぐったそうに身をよじる千秋の股間まで指を滑らせると千秋が息を飲んだ


「っ……」
「頭のてっぺんからつま先まで全部、見せてな」


俺の言葉に千秋が顔を両手で覆ってしまった

それで満足してたんだが、小さな声で千秋が


「……二人も、一緒に……ですよね」


なんて言うからベッドまで保つかわからなくなった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ