言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
うぅん、複雑
と思いながら鞄を受け取って敦史の後ろについて家を出ようとするとスーツの裾が引っ張られた
「?」
引っ張ったのは当然千秋さんで、明らかに「悠史さんはキスしてくれないの?」と強請る顔をしている
僕って単純
こうやって求められるとすぐどうでも良くなっちゃうかも
「ごめんなさい。ちょっとぼーっとしてて、忘れていました」
僕が軽く屈んでキスをすると、千秋さんは満足そうに微笑む
可愛い
ほんとに可愛い
閉じていた唇を押し開いたのは千秋さんの舌で、そうやって求められていることにも嬉しくなってしまう
満足感に浸りながら口を離そうとすると千秋さんが僕の肩をぐ、と下に押した
「?」
押されるがままずるずる下にしゃがんで下から千秋さんのキスを受けるような体勢になると
「!!」
開いた口から千秋さんの唾液をたらたらと流されて、それが僕の口内に入った
僕の唾液と混ざったそれを舌でぐちゃぐちゃに掻き回されて飲まされる
こんなのだめ
出勤前から勃ってしまいそう
「ん、ん……千秋さ……っん……」
散々僕の口を掻き回して最後に僕の唇を舐めて離れた千秋さんの顔はとても満足気