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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


顔に熱が集まるのがわかる


一体どこでこんなこと覚えてきたの……っ
あーもう、大変


僕が手で口元を覆うと千秋さんは満面の笑みで


「お仕事頑張ってくださいね」


と言った


「はい。頑張ります……」


それはもう、すごく
頑張ります



仕事場に向かう間も敦史は上機嫌
仕事が始まっても


「やだ流星〜そんな意地悪なこと言わないで?」
「あ?お前がそんな可愛いカッコしてんのが悪いだろ」
「えっうそ……ならこれ毎日着るぅ〜!!」


いつもより大分サービス精神旺盛

お客さんからは「なんか違う!優しい!」と好評だからいいけどね


「聖夜?」
「はい?なんでしょう?」
「何か考え事?」
「いいえ、そんなことありませんよ」


僕はそんな敦史が心配で逆にお客さんに心配かけてしまったみたい


「本当に?」
「……貴方の事考えてました、なんてご本人の前で言うことではないでしょう?」
「!」


もう、はぐらかされた、と僕の肩に寄りかかる女性の長い髪を指で梳く


そういえばアフターに行っても女性の体液に反応することがなくなったなぁ
興味の対象が完全に千秋さんにいったのかな

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