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言葉で聞かせて

第5章 再発


次の日の朝

悠史の作った朝食の良い匂いが漂うリビングに千秋と一緒に入ると


「おはようございます」


と振り向いた悠史が顔をしかめた


「敦史。どうしたんです?酷い顔してますね」
「……お前が発症させた理由がよくわかったよ……」


あろうことか商品である俺の顔には疲労の色がありありと浮かび、目の下には大きなクマか生息している

完全に、寝不足だ

千秋の寝顔を一目見ようと千秋より先に寝付かなかったのが悪かった

あんなん見たら絶対寝れねぇよ


俺の言葉で全てを察したのか悠史はくす、と笑った


「なかなかのものだったでしょう?」
「あぁ……なかなかきつかった……」


俺と悠史の会話の内容を全く理解していない千秋は寝て起きたら酷いことになっていた俺の顔を見てリビングに来る前からずっと心配している


『僕、寝相悪かったですか?』
「いや、そういうことじゃないから心配しなくていい」


尚も自分のせいかと狼狽える千秋に悠史は歩み寄ってそっと肩に手をかけた


「大丈夫ですよ。このお馬鹿さんは一晩ずっと考え事をしていただけですから」


まぁ、あながち間違っちゃいねぇけど
千秋のこと考えてたわけだしな

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