言葉で聞かせて
第5章 再発
「もし お手洗いだとして、どうして僕が付き添わなきゃいけないんですか」
「じゃあどうして?」
悠史は千秋の肩をするりと撫でた
「千秋さんがまだ一人で寝るのが怖いと言うので添い寝するんです」
「はぁ!?」
俺が急に大声を出したから千秋はびく、と揺れた
しかし俺にはそんなことに構ってる心の余裕はねぇ
添い寝?
悠史と千秋が?
なんでだよ!!!
「……それ、俺でもいいよな?」
俺の様子から悠史は抜け駆けしていることに怒っていると察したのか、俺の目をじっと見た
ーー言っておきますけど、千秋さんが怖がってる原因は貴方にあるんですからね?
ーーわかってるよ。伊勢さんだろ?
ーーそれと、何かしたらただじゃおきません
ーーそれもわかってる
「千秋さん。今日は悠史の部屋にお邪魔しますか?」
千秋は俺の顔を伺って、こくん、と頷いた
よし
「じゃ、行くか。千秋」
悠史の隣にいた千秋はととと、と俺の横に歩いてくる
ーー今度から交互ですね
ーー当然。抜け駆けなんてさせねぇよ
「千秋、枕は?変わっても寝られんのか?ーーそうか。なら持ってこなくて平気だな」